2014年11月17日月曜日

UXエンジニアの人がたぶん言いたかったこと。



モンハン3rdとパズドラに言いたいこと - UXエンジニアになりたい人のブログ


凄い炎上しててワロタw

めちゃめちゃ叩かれてるけど、遅れてツッコむからには
あえてこのブログ主が正しい、
パズドラやソシャゲアプリは(ソーシャルゲーム)
もっとチュートリアル改善でユーザーを取れる、
という悪魔の証明でも考えてみよう。

議論のすれ違い原因は後で書くとして、

仮説の結論は、

システム開放が段階的ではなく最初から全開で
チュートリアルの段階が急過ぎるのが問題。
まだゲームが作業レベルで
ユーザーのプレイ限界に達してないのに、
必要になってない段階なのに
スキルや合成や魔法石のチュートリアルタイミングが早すぎる。
この説明過多で取りこぼしてるユーザーが
それなりにいる可能性が高い。


まずブログ主の視点で大きく叩かれてる原因は、


1、ユーザー体験をゲーム内のみで見てること。


友達に聞く、Webで調べるという
ゲーム内で完結してない体験を否定している。
これは1人でプレイする人を考慮しつつ、
いちUXエンジニアを目指す場合
Webなどのコントロール効かない分野を排除したいからかな。

僕は昔ファミ通の発売日欄に コナミ:シューティング(仮)
と書かれただけで何の発表もないのに勝手にワクワクしてたので
その後の新作発表のときも、 ゲーム買うお金貯めるのも、TVのCMも
ゲームをクリアするまで全部楽しい体験だった。
当然みんなで情報交換するのも
そのゲームについて後で語るのも全てゲームの一部だと思う。

あえてナイトトラップやデスクリムゾンというクソゲーを中古で買って
みんなでツッコみながら遊ぶのも楽しかったし。


2、興味が薄いのに「流行ってるから何かを学ぼう」とゲームを「遊ぶ」のではなく「勉強」してること。


説明放ったらかしのウルティマオンラインを楽しんだブログ主なのに、
モンハンやパズドラの説明が難しいとか、
こいつ何を言ってるのか全くわからないと大きくすれ違う点。

普通ゲームは「面白そうだからやってみよう」で
動機づけがされるのであって、ブログ主のように
「流行ってるから分析しよう」でやる人は職業病だ。
時間がない大人でこの作業は疲れる.

ゲームの動機付けは6800円のパッケージゲームなら、
子供こそある程度前情報をもって慎重に選ぶし、
ジャケ買いしたとしても、
6800円払ってるのだから元を取ろうと
それがクソゲーでも必至で理解しようという動機が働く。
(大人が6800円はたいしたこと無いと考えるとこの動機も無くなるが)


特に問題なのは「基本無料」のパズドラで、
流行ってるからという理由かつ無料でスタートできるからこそ
最初のチュートリアルすらウザくなる。
プレイ動機がないものをいくら親切丁寧に説明されても
目にはいらないし、頭に残らない。

ウルティマオンラインをやる場合も
好みのゲームという動機はあったはず。
「モンハン」と「パズドラ」には
「好みのゲーム」という動機がブログ主にないので、
(3マッチパズルは好みでも、めんどくさい合成が好みではないとか)
逆にそれだけ売れてるゲームなら
初期プレイ段階に動機が無ければいけない、、
と考えるからおかしくなる。
 任天堂のゲームだってどれだけチュートリアルが優れてようが、
肌に合わない、興味を持たない人だってたくさんいる。
任天堂のゲーム全てがモンハンみたいに400万本超えてるわけではない。


ソシャゲアプリなどはまだまだチュートリアル離脱者が多い

 
究極的には「ダウンロードした90%が1年間継続プレイしています。」
となっていなければ、何かが間違ってると考えても
いいんじゃないだろうか。
この数値が現実的ではなくてもそれぐらいの気持で研究するという意味で。
例えばもしパズドラが3000万ダウンロードで、
チュートリアル離脱者がわずか500万人で収まっていれば
それは優秀な数字なんだろうか?

 
だいたい「興味ないけどとりあえず流行ってるからやってみよう」程度で
ダウンロードした客だと、せっかくダウンロードしてもらったけど
最初の動機が薄いので、ブログ主のように
チュートリアルで取りこぼす可能性は大きい。

僕もソーシャルゲームで親切丁寧に
数分間使ってチュートリアルされるのは
とてもめんどくさく読みたくなくなっている。

それはゲーム本編の説明というより、
だいたい合成とガチャとショップと複雑な属性
の説明がめんどくさい。
最初から課金したいわけでもないし。

チュートリアルはシンプルなゲームのみにして、
なるべく文字を使わないで、 なるべくチュートリアルなしで
とりあえず好きに面白いところまで遊ばせてほしいと思う。


ゲームはシンプルだが、合成というシステムがからんでやたら複雑な印象になる


長く遊んでもらうためにも、ガチャを回してもらうためにも
合成という長期低成長システムが必要となり、
この合成を際限なく拡張するために
たくさんの属性が必要になってくる。
 
極端に儲かるゲームはこのフリーミアムなモデルでの成功例がほとんどなので
ゲームを効率よく進めていくには
この一見複雑なシステムを覚えなくてはいけない。
モンハンはフリーミアムではないけれども、
レアアイテムを探し武具を際限なく鍛えていくという意味ではこの合成システムに近いし
だからこそ何千時間でも楽しめる長期低成長システムとなっている。

まあここで、最初に6800円の壁があるモンハンは
課金で稼ぐというところがメインではないので、
最新作ではカメラ問題もある程度解決してるようだし、
ブログ主もどっちかというとパズドラに納得してないようだし、
ソシャゲアプリのチュートリアル改善に限定しよう。



プレイヤーが限界を感じた時に、システムを開放する


もし僕が感じてる問題点だけなら解決策はわりと単純じゃないだろうか?
最初は合成も、ショップも、ガチャも、属性も説明なしで、
デフォルトモンスター設定のみでアーケードゲームなみに
ゲームの面白いところだけを体験させる。

ゲーセンのアーケードゲームは回転率が重要視されるし、
ゲーム画面で一見さんを捕まえなくてはいけないので、
ひとめみて面白くない理解できないゲームは売れない。
システムも文字説明も最小限にしなくてはいけない。
当然筐体をひとりじめするような、めんどくさい合成システム等はない。
オープニングもデモも最初から全部カットできるようになってるし
演出の1分1秒を削りながらも楽しめて、
初見プレイヤーを満足させる作りになる。

とすると
フリーミアムのアプリもLv5までは
合成、ショップ、ガチャ、属性を解禁せず、
Lv10ぐらいまでは何もカスタマイズせず
買わなくても気持よく勝てるようにして、
負けたらはじめてどうすれば勝てるか?
というチュートリアルやヒントが出てきて、
そこからひとつづ開放したらいいのではないか?
このときショップの開放は最後でいいと思う。


こうすれば、ブログ主のように
「まだ個人的な興味はないけど流行ってるから」で
ダウンロードしてくれた客にも、
アーケードゲーム的な楽しさの動機付けまでは
プレイしてもらえるのではないだろうか?


いやむしろなんでそうなっていないか?

なぜ、ソシャゲアプリのチュートリアルは説明過多なのか?


もちろんソシャゲアプリチュートリアルでも
システムの段階的開放をしているものもあるが、
ブログ主や僕が感じたように、
まだ楽しいと感じるほど遊びきってないし、
自分の限界を感じない作業レベルの1-1や1-4で、
いきなり合成だの、 課金魔法石だのの使い方をいっきに説明される。


要は「早く課金して欲しい」から、
そのために「合成」やら「属性」やら全部を最初に説明する必要がある。

実際にスタートダッシュから大人課金して
「オレ強え 」を味わう人こそ、一番大事にしたい客だろう。
つまり「1分1秒でも早い収益化」と「課金額を最大化」 したいという
メーカーの気持ちが、いきなり情報過多なチュートリアルを
作り出しているのではないか?

あるいは、
「すでにゲームルールに慣れてそれが当たり前になってしまった
開発者やテスター視点」でチュートリアルが作られている場合も
作ってる側には読まなくてもいいほど当たり前の事なので、
いきなり情報過多になることがある。
これは調整にあまりコストかけれないようなコンシューマゲームでもよくある。

「モバマス」や「艦これ」など元から動機付けの強いゲームであれば
それでも構わないかもしれないし、モンハンの前作のユーザーであれば
新システム分のチュートリアルだけでも構わないだろう。

でも本来のユーザー体験からいえば
チュートリアルの最高のタイミングは「必要なときに」「必要な情報」である。


 プレイヤーは必要になってからでないとチュートリアルを覚えない


プレイヤーがゲームオーバーするなり、
プレイが厳しくなってから情報解禁するほうがずっとルールを学習しやすい。
学校の数学や英語じゃないけど、
人は必要になってからじゃないと、物事を覚えないからだ。

いま多くのソシャゲアプリが、
「まだ必要でない初回プレイに」「合成、ガチャ、属性、課金情報」
ひと通り提供してるので、チュートリアルの必然性も印象も弱く、
なぜこれをやらなければいけないのかが
似たゲームで慣れてない人には、
ただアプリランキングにあったから
ダウンロードしてみた程度の人にはわかりづらくなる。
将来これがなぜ必要かがわからないうちに
「数学」 や「英語」を教えてるみたいに。


どうせモバマスで大人課金する人はLv5なんてすぐ達成するので、
そんなプロプレイヤーに合わせて
1-1にチュートリアルの洪水を作ることはなく、
プレイヤーの限界に達して、合成が必要なときに
合成チュートリアルが出てくる設計の方が良い体験となるのではないか?
場合によってガチャはもっとずっと後でもいいのではないか?

元のブログ主が言いたかったことも、
そういうことではないかと推測する。


以上なんだけど、この結論にはひとつ疑問が残る。



しかしモバグリ時代からチュートリアル離脱を徹底研究してるソシャゲメーカーがそんな見落としするだろうか?


ソシャゲの市場規模からすると
各メーカーはこのチュートリアル離脱をものすごく研究していて、
KPIとか、課金に関するタイミングも
今はとんでもなく磨かれているはずだ。
なにせ動く金額が金額だけに、それこそ給料日から心理学まで含めた
徹底した調整がされているはずである。

なのに、心理学以前の
「必要なときに」「必要な情報」はあまり守られていない。
ここがとても腑に落ちない。
コンシューマのゲーム屋だと
「プレイヤーがミスした時に、何が悪かったか、どうしたらよかったのか?」
の情報がゲーム内で説明臭くなく自然に提供されるのは
名作の必要条件ですらあったりするのに。
(謎解きゲーは別として)


とすると、わりと長期でそういう実験を何度かやったけど、
「情報洪水でも最初に全部説明しないとユーザーのクレームが多かった」か
「Lv5まで課金開放を待つと大人課金する人が激減した」とか
「そんなことしても最初から興味あるユーザーしか、
その情報洪水をものともしないユーザーしか結局残らなかった」
とかだろうか?
でもこれは自分で書いててあまり説得力はないかな。


予想としてはチュートリアルや機能説明は、
なるべく必要なときに表示するよう分散しているが、
課金だけは会社としてゲーム開発の最大の目的ゆえに
一番最初から使えなければいけないものと
「勝手に思い込んでた」ので、
必然的に合成や属性の説明も最初に集中してしまったと思うけどどうでしょう?

ユーザーを取り込むという土台を広げるためには、
別に課金最大化のために
一番最初から課金が使える必要はないと思われます。

とはいえ僕はソシャゲ作ったことがあるわけじゃないので
もっと単純な事を見落としてるかもしれません。
もし、ソシャゲ開発者でここを見てる人がいたら
最初に全てを説明しないといけないもっともな理由があれば
ぜひ匿名のコメントでお願いしたいところです。

7 件のコメント:

  1. 中国に参入しているソーシャルゲームメーカーさんのニュースで
    「ゲーム開始時点で、ギルド戦や合成などの要素が少なく感じられると、離脱者が増える」とのこと。
    年単位で時間をかけるゲームなので
    どのくらい遊べそうか全体が始めから見えることが大切なようです。

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. 記事読ませていただきました。
    個人的には情報の後出しをされるとそんなのあるなら最初から使わせろと思ってしまいます。
    全員がそうではないと思いますが今の若者は「ゲーム」自体に慣れてますから特にそう思うのではないでしょうか。
    昔のシンプルなゲームとは違い今のゲームは複雑です。
    そして今の若者の基準はその複雑なゲームなのです。
    だからこそゲームに関しては情報への適応能力が今の若者は高いのでしょう。
    そして制作者側はあくまでその若者を客層に想定しているということかなと思いました。

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  4. UXエンジニアの人から誘導されて来ました。
    特に2.の件など、なるほど、私もゲームのテスターやってる身としては、職業的にゲームを遊ぶ苦痛は良く解ります。
    お金貰ってやってる私ですら時々辛くなるのに、プライベートで自腹切ってれば尚更ですね。

    ところでソシャゲの課金要素周りについて、ですが。
    私が請け負った所の傾向になりますが、課金してくれるユーザーは概ねせっかちなんです。
    運営側がスタートダッシュで差をつけろ!とか煽ってるのも一因なのですが、
    早くランキング上位になりたい、早く攻略したい、とにかく「ライバルより一秒でも早く、早く」という性質があるからこそ課金するんです。
    イベントガチャ回してレアが出たら画像をTwitterへ拡散してるプレイヤーなんかも沢山居ますよね。
    最速クリア、ランキング上位、レアドロップ…いずれにしても人より早く多く課金した方が羨望されるように設計されているので、
    公式チートとも呼ばれる課金要素だけは先に出しておく。それにまつわる要素は先に全部出しておかないと商機を逃してしまうのです。

    実際、パズドラ等の(今だとモンストかな?)有名タイトルになれないソーシャルゲームはゴミのように沢山ありますが、
    何故かそういうダメなタイトルでも、不思議と最初だけは課金ユーザーが一定数居るんです。
    よって、課金にまつわる要素の後出し=一番儲けを狙える時期を自ら削る行為となってしまうのです。

    この性質は、戦略や研究によって弾き出された一手ではなく、
    経験と統計から得られる事実を元にした保身なんです。

    まぁ、私はパズドラ・黒猫・モンストのような人気が出たタイトルには縁が無かったので、
    大手の運営が同じことを考えているとは限りませんけどね。参考までに。

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  5. みなさん貴重なコメントありがとうございます。

    なるほど、どれも僕が過小評価してたところですが
    課金プレイヤーとしてはやはり面倒な序盤すら
    1秒でもはやく課金して突破したいわけですね。
    僕の考えだと「とりあえず課金しよう」という
    全く金に糸目をつけない大事な客のタイミングを逃しそうです。

    お三方の意見だけでも、ヒットしないタイトル含めて
    その方がリスク少ないように感じます。
    厳密な証明は難しいですが、やはり今流行りのチュートリアルは、
    充分ベストに近い作りなんでしょう。

    とはいえ、せっかくダウンロードしたのに
    現状のチュートリアルではそこまで興味のない人を引きつけれない
    (その動機はチュートリアル以外に頼る)
    というのもまた事実なので、
    たまにこういうことを考えながら、
    ソシャゲチュートリアルそのものが面白い
    と思われるようなブレイクスルーがあればいいですね。

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  6. uxlaymanさんの記事から来ました。

    >(その動機はチュートリアル以外に頼る)
    仰る通りだと思います。そして、それはソシャゲのデザインとしてそうなるべくしてなっているとしか言えないと思います。

    相手がリアルにいて、友になったり師になったり、敵になったりする。意外と忘れがちですがだからソーシャルゲームなんですよね。
    売上げの事を考えて今のチュートリアルになっているのももちろんあると思いますが、ソーシャルゲームの名の通りゲーム内外の仲間と成長していく要素がメインなので、ゲーム内外で交流をしない人はそもそもゲームをする対象に入ってないんです。中にはいますけど、そういう人はお金を使わないか、すぐにやめる人でしょう。
    英語が分からないのに、英語のゲームを買って販売会社に「なんで日本語に対応しないんだ!」と文句を言うようなもんです。
    そこで辞める大多数の人は合わなかったで終わらせるところを、自分の不満でなく、あたかもみんなが思っている事であるかのように語った事が炎上した理由ではないかと。

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  7. 中々分かりやすい説明で、なるほどと面白く読ませてもらいました

    とりあえず、自分が思うことをコメントしてみます
    最近の人の傾向で最初から強くないと駄目らしい? SAOみたいな 強キャラ引いて無双? ゲームでまで凡才やコツコツをプレイをしたくない? のかな
    あと、ソシャゲの場合、家庭用機と違って接触できる時間が極端に短いユーザーが圧倒的に多いので、ちんたら悠長にやってると離脱します
    なのでサクッと説明して後はゲーム中にトピックをチョイチョイ出すように工夫したり、調べたいと思ったときに調べられる環境を
    それとなく用意してる感じでしょうか

    ちなみにモンハンはPSP版を通勤中にちょっとずつチュートリアル?を進めてみましたが卵運びで挫折しました 

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